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何かと心配になりやすい元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

【メンタル】完璧主義が生まれるのは自身のせいではなく社会のせいなのでは?っていう研究の話です。

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こんにちは、なすびです。

 

完璧主義でメンタルも病みやすくなる」っていう話は当ブログでよくしてるんですが、今回は『完璧主義になっちゃうのって個人のせいじゃなくて社会のせいなのでもあるのでは?』っていう話が興味深かったのでまとめておこうと思います。

 

完璧主義には3つのタイプある

本題に入る前にまず完璧主義には主に3種類あることを抑えてもらえるといいんですが、

 

  1. 自分に完璧を求めるすぎるタイプ:自分にとっての不合理な完璧にこだわったり、どう考えても実現が困難な理想像を持ち続ける。理想と現実とのギャップに自信を責めがち(ex.テストで100点を取らない自分に価値はない、体重が55kgから上下することは許されない)
  2. 他者のために完璧であろうとするタイプ:他者を満たさなければならないという過度な考えをもち、自分が厳しく裁かれることを恐れ、他者からの承認を得るために完璧でなければならないと考えすぎる(ex.妻である以上夫の要求には完璧に応えなくてはならない)
  3. 他者に完璧を求めすぎるタイプ:完璧主義による期待が他者に向けられることで周囲の人に理不尽な基準を押し付けたり、他者を批判的に評価したりする

 

完璧と聞くと「私は細部までこだわった極上の逸品を作り上げる」みたいなイメージがあると思いますが、そういった向上心が根っこにある完璧とは違うのがポイントなんですね。

 

で、この3つの中で一番メンタルがやられるのが『他者のために完璧であろうとするタイプ』なんですが、このタイプだと他人からの期待が高い状態で失敗してしまった時に失敗を肯定的に捉えることが難しいためメンタルへのダメージが半端じゃないですね。(人前での失敗はダメージが大きいけど、1人で失敗した分には次はココに気をつけてみようと前向きに捉えやすいはず)

 

そして最後の『他社に完璧を求めすぎるタイプ』は他者のメンタルを壊すタイプの完璧主義なんでちょっと別物になるんですが、こういった『人に完璧を求めるタイプ』と『他者のために完璧であろうとする人』の組み合わせは後者にとってかなり最悪なことになります。

 

こうなると体に爆弾つけられて相手がいつスイッチを押すかわからない状態で日々を過ごすようなものなので、メンタルが衰弱していくのはなんとかなく想像がつくのではないでしょうか。

 

自分もタイプとしては1と2が当てはまる感じなんでメンタルがやられやすいんですが、どんなタイプにしろ完璧主義傾向は強くない方がいいわけですね。

 

が、ここ数年で完璧主義な人が激増してる!!

前置きが長くなりましたが、ここからタイトルの通り『完璧主義になっちゃうのって個人のせいじゃなくて社会のせいなのではないか?』というお話になってます。

 

今回参考にしていきたいデータは『1989年〜2016年の間で大学生の完璧主義がどのように変化してきたのか?』についてまとめた皆さんお馴染みのメタ分析なってます。(P)

 

この研究では過去27年間分の適格なデータをまとめることもあり、41,641人(女性70.92%)の大学生を対象にしてるんですが、大学生だけでよくここまでの数集めたなという印象です。人種としてはアメリカ人やカナダ人、イギリス人からの知見なので文化的な背景の違いはありますが、我々日本人にとって参考になるところもありましょう。

 

 

ということで、早速そんな結果を見てみますと

 

 

  • 若者の完璧主義が年々増えてきている!!

 

 

ということで、特に『他者のために完璧であろうするタイプ』の完璧主義は1989年に比べて32%の増加してるんだそう。

 

また周囲の人たちに厳しい基準や非現実的な基準を押し付けている『他者に対して完璧を求める』タイプの完璧主義も16%増えてるみたいなので、もしかしたら両者の間で負のサイクルが働いて増え続けてる部分があるのかもしれませんね、、、。(泣)

 

 

時代の変化が「失敗してはならない」という完璧主義を量産してる

でもって『なんで完璧主義が増えてるのか?』についてなんですが、同論文を読んでる限り「時代の変化がかなり影響している」という感じなんです。

 

大きく括ると以下の3つのポイントになるんですが、

 

 

  1. 実力主義社会に変化している:若者は学校や大学で努力と競争を強いられ、ますます高まる期待に応えなければならない。加えて将来のキャリアに泥を塗りたくないという考えによって、かなりのプレッシャーを受けることになる。
  2. 競争社会の激化自分より上の存在との比較する頻度が増えるため、焦りや不安、恐怖といったネガティブな感情が常につきまとう。また何か欠陥してるポイントに焦点を当て、批判や失敗に敏感になったり、自分の身を守るために他人を卑下しやすくなる
  3. 親からのプレッシャー:「子の失敗は親の失敗でもある」というプレッシャーによって、親自身が子どもの将来を成功させようとプレッシャーをかけるケースがある(ex.勉強していい企業に入りなさいとか)

 

という感じです。

 

これらは互いに影響を与えているため分離して考えるのが難しいですけど、時代の変化と共に「失敗が許されない」社会的なサイクルが出来上がってきてる可能性があると。

 

具体的なところでいうと、YouTubeTwitterとったSNSの普及が結構わかりやすいんですが、

 

 

  1. 誰でも個人を発信して有名になれるが、同時に周囲の人間が全てライバルになり得る
  2. 周囲の人間との比較が容易に出来てしまい、自分より優れた人がすぐに見つかる
  3. 何か悪い行いをすればいろんな人から罵詈雑言が飛んでくるし、こっちが批判的な意見を飛ばすことで相手を完璧主義傾向を上げることにもなる
  4. 誰かに監視されてる感じが常につきまとう

 

 

またネットだと『炎上』っていうワードをよく見かけると思うんですが、そういったことを見ることでより「失敗は許されない、怖いものである」という完璧主義の認識が広まっていくというのは確かに考えられそうですよね。

 

この辺は研究者曰く、

先進国全体で若者は現在親よりもはるかに厳しい社会的および経済的条件に直面している。

〈中略〉 

私たちの発見を振り返ってみると、特に関連性の高い問題として完璧主義の増加に伴う心理的苦痛が挙げられます。世界保健機関(WHO)が発表した最新の世界保健推計(2017年)によると、若者の数は記録的な数に達しており、米国、カナダ、英国では10年前よりも高いレベルのうつ病、不安、自殺願望を経験している。

とのこと。

 

完璧主義の増加によるメンタルへの悪影響は広がり続けているということなんですが、時代の変化によって「他者のために完璧であろうとする人」と「他者に完璧を求める人」がマッチングが容易なったことが、完璧主義の増加に拍車をかけている部分もありそうですね、、、。

 

 

「今の時代に適応するために完璧主義にならざるを得ない」と考えるとなんだか嫌な感じだな〜。

 

 

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