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何かと心配になりやすい元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

目先の誘惑に負けない人ってアレが得意だよ!っていう研究の話


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こんにちは、なすびです。

 

今回は『目先の誘惑に負けない人って何が得意な人??』って話が面白かったのでまとめておきます。

 

誘惑に強い人は未来のイメージが鮮明だったぞ!

これは健康な男女250名(平均年齢:約35歳)の参加者を対象に『想像力と遅延割引』との関係を調べた研究になってます。(P)

 

『遅延割引』いうのは、ざっくりいうと経済学や心理学でいう我慢強さを表すような指標のことで例えば「今すぐ5000円もらうか、2週間後に1万円もらうかどっちがいいか?」について考えるケースだと

 

  • 遅延割引が高い人:2週間後の1万円より今すぐの5000円
  • 遅延割引が低い人:今すぐ5000円より2週間待って1万円

 

を選ぶような感じ。

 

遅延割引が低い人ほど未来のことに価値を見出すのが得意ないわけなんですが、これをダイエットに置き換えれば、痩せた体を手に入れるために目先の食べ物を我慢し続けるのが得意だったり、欲しい物の誘惑に勝ち続けてお金を貯めるのが得意だったりするわけです。

 

 

 

で、この研究では参加者を以下のグループに分類して、遅延割引が高くなって我慢強くなる時ってどんな時だ?ってことを調べております。

 

  1. 今この瞬間に集中するグループ:部屋の空気が冷たいとか自分は鉛筆で文字を書いてるとか、周囲で起こってることを書き出す
  2. 過去をイメージするグループ:過去にあった2つの具体的な出来事をできるだけ鮮明にイメージする(楽しかったことや辛かったことを書き出す)
  3. 未来をイメージするグループ:将来自分に起こるかもしれない2つの出来事をできるだけ鮮明にイメージする(1年後とか3年後に起こりそうなことを書き出す)
  4. 少し先の未来をイメージするグループ:今現在自分に起こるかもしれない2つの出来事をイメージするグループ(数分後に起こるであろうことを書き出す)

 

でもって、参加者はそれぞれのタスクをこなしてもらった後に

 

  • 食事:チョコレートバー
  • お金:ユーロ

 

といったご褒美を使って、遅延割引を図るテストをやってもらったんだそう。これは冒頭でお話した「1ヶ月後に20ユーロと3ヶ月後に40ユーロならどっちが良いか?」を選ぶタスクをやってもらった感じですね。

 

ちなみに過去の研究なんかだと「将来を鮮明にイメージできるほど遅延割引が低い!」って結果が出てまして、まあなんとなく「痩せたい」って考えてる人よりは「体重落として昔着てたオシャレな服着て六本木を優雅に歩くんだ!」って考えてる人の方が食事の誘惑に強そうなのはなんとなくイメージできるのかなと。

 

で、今回の研究では未来の鮮明なイメージだけではなく、過去とかちょっと先の未来とかを想像するとどうなの?っていう時系列ごとに調べているのが面白いんですが、そんな結果を見てみると、

 

  • 今この瞬間に集中してもらったグループよりそれ以外のグループの方が遅延割引が低く、未来のことに価値を高く持つ傾向があった
  • しかし未来、過去、少し先の未来といったイメージする時間の違いにはそこまで有意な差がなかった

 

とのこと。今以外の時間についてイメージをしたグループの方が、チョコレートバーやお金といった目の前の報酬に飛びつかない傾向にあったんですが、未来か過去かといったイメージする時系列はあまり関係なかったんでそう。

 

しかしながらこの研究では追加で「過去や未来のことについて鮮明にイメージ出来た!」と回答した88名の個人を対象にサブグループ解析を行ってるんですが、それだともうちょっと違う結果が出てまして、

 

  • 未来のことを鮮明にイメージしたグループが最も目先の誘惑に強かった

 

ということで、鮮明にイメージできるかどうかの方が重要になってきそうです。

 

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※同論文から引用し、筆者が手を加えてたもの

 

図の棒グラフが低いほど『我慢した方が得なのは分かってるんだけど、それでも今すぐに報酬が欲しい』と感じでおり、高くなるほど我慢できるようなイメージです。グラフのBを見てみると将来のことについて鮮明にイメージを膨らませた方が、お金に関しては合理的な判断ができそうですな。(年末安くなるから、今は我慢だ!みたいな)

 

この辺は研究者曰く、

知覚的現実から内側にある精神的に構築された経験に注意を向けることで、目先の報酬の評価が抑制され、目先の報酬と将来の報酬の間に通常存在する評価のギャップが減少し、それが遅延割合の低下につながる可能性がある

とのこと。

 

「チョコバーを食べすぎて昔偉い目にあった」とか「これを我慢し続けたら痩せて自分に自信を持てるかもしれない」とイメージを膨らませて上げることで、「目の前のチョコバーは俺にとってそんなに価値があるのか?」という認識を変える効果があるかもしれないんだそう。

 

最近のダイエットだと「なんで自分が痩せたいのか?」というところから徹底的に考えるところから始めたりする方法もありますが、これも結果的にカロリーの摂取量が減るからかもしれませんね。

 

※読み飛ばし可能

 

 

 

また個人的には『マインドワンダリング』との関係も興味深いな〜と思ったんですが、研究者いわく、

『マインドワンダリング』は外部のタスクやイベントから思考や記憶といった内部で生まれた情報に注意を向きやすくなることで、外部のイベントに対する皮質分析の減少が特徴であるが、これは遅延割引の発生率の低さにも関連している。

 

さらに現在の経験に代わる未来、過去、現在の出来事を生々しくシミュレーションすることで、将来の報酬を受け取ることがどのようなものであるかを予想しながら行動する作業プロセスが動員された可能性が高い。これらのプロセスは、将来の結果に対する詳細な想像力を促進し、それが低い遅延割引率と関連している可能性がある。

とのこと。

 

過去に『マインドワンダリング』に陥りやすい人は嫌な記憶を鮮明に思い出し続けることでストレスや脳への負担が大きくなるっていう話がしたことがあるんですが、今回の研究も踏まえて考えると、

 

  • メリット:将来のことや過去のことを鮮明にイメージできる分、先のことに価値を見出すのが得意
  • デメリット:将来のことや過去のことを鮮明にイメージできる分、過去の嫌なことやそれが将来的にも起きるんじゃないか?と鮮明にイメージできるのでストレスにさらされやすい

 

みたいなところはあるのかもしれません。マインドワンダリングは一長一短なんでしょうな、、、。

 

※読み飛ばし先

 

まとめ

まあ何にせよ、目先の誘惑に負けないためには「目先のご褒美を我慢することで将来的に自分にどんな良いことがあるの?」ってことについてより鮮明にイメージする必要がありそうなので、この辺は色々と想像を働かせて見るのが吉と言えそうです。

 

ただイメージするにしても、人は「痩せる」「お金貯める」みたいな抽象的なことをイメージするのは苦手なので、

 

  • 痩せてどんな体験がしたいのか?:「異性に堂々とアプローチができるようになりたい」「服がより似合う体型になってインスタを投稿したい」「健康に関する心配事を少しでも減らしたい」
  • お金を貯めることはあなたにとってなどういうことなのか?:「店を開くという夢に少しずつ近づくこと」「息子のやりたいことを応援することだ」「自分に余裕を持つことが出来て、その分人に優しく接することができる」「精神的な安定をくれるもたらしてくれる」

 

いったように、「具体的かつそれを達成してる自分はどんな感情になっているのか?」なんてことをイメージしてもらえると更に良さそうです。( ˙꒳˙ )