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何かと心配になりやすい元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

人生に選択肢や価値観が増えるとメンタルが悪化するのはなぜなのか?

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こんにちは、今回は話のテーマが大きくなりすぎました、なすびです。( ˙꒳˙ )

 

「メンタル状態が悪化する理由はたくさんあるぞ〜」っていう話は良くするんですが、かなり大きなジャンルで括ると以下のような感じです。

 

  1. 人間関係やお金
  2. 栄養バランスの乱れ、睡眠不足といったライフスタイルの悪化
  3. 時代の近代化に伴う、ライフスタイルの大幅な変化(グローバル社会による異文化交流、インターネットの普及)

 

まぁこれら1つ1つも細かく見るとさらに色々出てくるので、「メンタルが悪化する原因がたくさんありすぎて対処が大変だー!!」と日々頭を抱えております、、、(´ω`)トホホ…

 

その中でも特に『時代の近代化』という文化的な変化は働き方やライフスタイル、人間関係といった部分に大きな影響が与えてる一方、僕らにはコントロールすることが難しいですし、昨今は加えてソーシャルディスタンスを保ちながら生活を維持して言う必要もあるので、メンタルへの負担もかなり増えてるんですよね、、、。

 

で、そんな『時代の近代化』の影響で技術の進化やIT化による経済スピードの加速など変化しているものは様々ですが、メンタルへの影響で最近注目しているのが『近代化に伴う価値観の増加』というところです。

 

ここでいう『価値観』というのは、

 

  • とにかく有名になりたい
  • モテたい
  • お金持ちになって裕福な生活をしたい
  • 好きなことして生きていきたい
  • 自由気ままに生活したい

 

といったように、「自分どんな人生を送りたいのか?」という方向性を決めるものと思ってもらえると思いんですけど、今は会社に就職して幸せな家庭を築くようなオーソドックスな人生以外にも、YouTuberやブロガーとして食べて自由に生きるとか、音楽で人の心を動かす、プロゲーマーになる、自分でお店を作る方といったように価値観に基づいた行動にもかなりバリエーションが増えてるんですよ。アメリカには確か8歳で何億も稼ぐYouTuberがいるくらいで、なんかホントすごい世の中になったもんですね、、、

 

このような時代の変化にともない人生の選択肢が多いことは、その人のやりたいことが出来るので良いことだ!!と思うかもしれませんし、そのような恩恵を受けている人達がいるのも事実ではあるんですが、今回は『逆に価値観が多すぎるせいでメンタルが悪化する人が増えてるのでは?』っていう話がかなり参考になりましたんで、まとめておこうと思います。(*¯ㅿ¯*;)

 

 

 

『自己同一性』や『自己連続性』が低いとメンタルが悪化しやすい

価値観が多様になるとなんでメンタルが悪化しやすいのか?ということについてお話する前に、まずは発達心理学という学問における『自己同一性』『自己連続性』っていう概念についてはざっくり説明していきます。

 

  • 『自己同一性』:「自分はどんな人なのか?」「自分にはどんな強みがあるのか?」というアイデンティティのようなもの
  • 『自己連続性』:「将来の自分は今と同じような生活をしてるだろうか?」といったように今の自分と将来の自分に明確なつながりを感じているかどうかという感覚

 

といったもので、この辺は自分らしさをしっかりと意識して持っているか、この先も迷わず自分の道を歩んで行ける意志の強さをもっているか、みたいなイメージをもって貰えるといいと思います。(P)

 

でもって、この2つの自己が欠落するどうなるのか?というと、うつ病や統合失調、境界性パーソナリティー障害、自殺傾向といったメンタルの悪化に関連してたり、逆にこの2つが高いと、年収や貯蓄率が高かったり、健康的なライフスタイルを意識して行動(ダイエットが得意だったり)することがわかってたりします。(P)

 

まぁ確かに自分がどんな人間で、将来的にはこうありたい!!みたいな自分の軸がハッキリしてる人は行動力があったり、逆境にも強そうな感じはありそうですもんね〜。

 

なんで『自己同一性』や『自己連続性』が低くなっちゃうの?

でもって、なんで自分の軸がぶれたりしちゃうのか?ってところなんですが、これは先の冒頭でお話したところで言えば、近代化といった文化的な部分がかなり影響してるのではないか?というところでして、

 

  1. 日本の教育だとアイデンティティを明確にしにくい
  2. 価値観やそれに結びついた選択肢が多すぎる
  3. 自分の選択を他のものと比較する機会が増えすぎてる

 

では1つ1つについてみて参りましょう。

 

1.日本の教育的はその人のアイデンティティを明確にしにくい

まずはそもそも日本の教育システムだとその人のアイデンティティを明確にしずらいのではないか?というところなんですが、いかんせん受け身のような授業、右にならへと皆が同じことをやるのが基本なので、自分自信が何をしたいのか?どういう目的があってこれを勉強するのか?について考える機会があまりないわけですね。

 

「自分は人より分析力が優れてそうだから、理系科目を多めに取って、これが活かせる仕事を選ぼう」なんてことを意識して学校生活を送り、目的をもって大学に進学する人はかなり少数派ですし、目的もなく大学にいっても卒業してもやりたいことが見つからず、入社するも会社をすぐにやめたてフリーターになるという人も今は多いですからね、、、(1)(P)

 

まぁこのような行動が良いか悪いかは置いておきますが、『自己同一性』や『自己連続性』が高まってないがために、ちょっとした逆境や理想と現実のギャップで挫けてしまいやすかったりするわけですね。

 

自分もこういった2つの自己を高める方法やそれに沿った行動を意識してアイデンティティを明確にすることについては特に学んでおらず、何も分からない状態で社会に放り出されたのでなかなかメンタルやられましたね、、、。(学生の時に学びたかった、、、)

 

そして自分の強みやアイデンティティはこれだ!っていうことを認識するには、それを高める行動を意識的にしていかないと自信につながらない(例:自分は計画するのが得意だから、スケジュール系の作業を進んで受け入れよう)ので、明確にするのにかなり時間がかかるんですよ。

 

なのでそういった環境に若い時から身を置く環境が少ない教育システムは『自己同一性』や『自己連続性』が低下する原因になっていて、社会に出た時にメンタルがやられてしまう原因になってる可能性もあるんですね。(´・ω・,`)

 

 

 

2.価値観やそれに結びついた選択肢が多すぎる

時代の変化にともない、「好きなことを仕事に」「とにかく有名になりたい」という価値観が増えている一方、その価値観を実現するための選択肢が多すぎることも、2つの自己を低下させる原因になります。

 

例えば、「有名になりたい」という価値観を実現するための選択肢を考えてみますと、

 

  • 女優のようにテレビに出たい
  • YouTuberで派手な企画をやりたい
  • 3星レストランを作り、食事で感動を提供したい
  • スポーツ選手として活躍して、子供に夢を与えたい
  • 政治家として、地域に笑顔守りたい

 

といったように、そのフィールドは様々。

 

「有名になりたい」という軸ではどの選択肢も魅力に思えてしまうため、その分『どれが自分にとってベストなんだろう?』といったように自分の軸に迷いも生まれます。

 

『選択肢の心理学』においては、人は選択肢が増えすぎると何か一つを選ぶのが難しくなり返って不幸になるというのは有名な話なんですけど、要は何か一つを選択した後に他の選択肢に魅力的に感じやすくなるわけです。スポーツ選手にしたけど、シェフでもありだったかもな〜みたいな状態になり、これも2つの自己が低下する原因にもなります。

 

 

3.自分の選択を他のものと比較する機会が増えすぎてる

これは先の2と繋がってるところがあるんですが、例えば「自分が好きなことをして生きていたい!」という価値観にそって、YouTuberとの動画収益でお金を稼いだり、独立して事業を立ち上げてみたりといった行動を取ってみると、時間の経過とともにその選択によって生じた悪い側面や理想とのギャップに気がついてきます。

 

  • 時間を割いている割に思ったよりお金にならない、、、
  • 取引先の獲得のために想像してたより自由でもないぞ

 

この時にチラつくのが、圧倒的に成功してる人たちの存在だったり、失敗してさっさと路線変更を試みる人たちだったりのちょっとした情報です。「売れたやつがどんどん売れていくんだろうな、、、」、「これだったら正社員になって安定を重視した方がいいかもしれない」といった気分になり、人によっては好きで始めたことがいつの間に好きでなくなってしまうこともあったり。

 

この失敗を糧に次の選択肢では納得いけばいいものの、「正社員になったけどやっぱり自由な生活も良かったな〜」となってしまえば、いつまでも自分のアイデンティティーは確立されませんし、自分がこういう人生を送るというビジョンもないないまま、砂漠の真ん中を右往左往することになってしまします。

 

まあこうなってしまうのも、インターネットの普及のような時代の変化により、他の人と自分を比較することが容易になったせいで、素早い路線変更はできるようになった一方『この道で進んでいくんだ』といった方向性も定めにくくなってるので、2つの自己が明確になりにくかったりするというポイントは抑えてもらえるとよさそうです。

 

 

 

まとめ

今回はかなり大きなテーマを扱ってきたが故に、何だかごちゃごちゃした感じになりましたが、ざっくりまとめると

 

  • 『自己同一性』や『自己連続性』が低いと、自分が何者なのか?どう生きて行くのが正解なのか?と人生に迷いやすくなり、メンタルが悪化しやすい傾向にある
  • そのような現象は国の文化的なものだったり、インターネット社会の到来による働き方の多様性や、SNSの普及による比較がしやすい環境が生まれてしまったといった近代化によってかなり拍車がかかっている

 

といった感じでしょうか。現代社会は自分がぶれやすい環境がやたら多かったり、自分のアイデンティティも明確になりにくい!、だから自分に自信も持ちにくくなったりして、メンタルも悪化しやすいんだということを頭の片隅にでも置いてもらえるといいと思います。

 

一応この辺の対策としては『ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)』で自分の価値観をより明確にしてみたり、自分の強みを『VIAテスト』でチェックしてそれを活かせそうな行動を繰り返していく!といったことをやってもらえるのがおすすめです。どちらも実際の研究でメンタルの改善効果がある程度認められてますからね。

 

後は根本的に他者との比較や理想と現実のギャップが引き起こしてる部分もあるので、自分がぶれそうになったら、「ちょっと成功してる人をみて羨ましく思ってるな〜」みたいに考えてもらえるだけでも悪影響はかなり抑えられるのではないかと思う次第です。( *¯ ꒳¯*)

 

その他参考文献

(1)https://tezukayama.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=109&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1