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何かと心配になりやすい元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

『なんだか寝付けない』がうつ病の兆候なのかもしれないという観察研究の話

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こんにちは、なすびです。( ˙꒳​˙ )

 

睡眠の質が悪いとメンタルが悪化しやすいぞ!」という話は耳にタコが出来るほど扱っている当ブログでございますが、いかんせん過去の研究でも、

 

  • 睡眠不足で不安になりやすかったりと、メンタルが悪化しやすくなる
  • メンタルが悪化することで、睡眠の質も下がりやすくなる

 

とのことでして、何かとお互いに影響を与えている分、どちらかが崩れると負のスパイラルに巻き込まれてしまう感じではあるんですね。

 

なので当ブログでは「メンタルがやばい!けど眠れない!」なんて場合は、食事の改善やストレスケアから手をつけることをお勧めしたりしてるんですが、新しい研究では「不眠症のどのような症状がうつ病に関連しているの?」について細かく調べてくれていたので、「この兆候があるからストレスケアに始めるか」なんていう目安に使えそうで良い感じでした。

 

睡眠時間は関係なく、『なんだか寝付けない』という症状でうつの発症率が上がるかも、、、

これは2020年にオランダの研究チームが行なった研究になりまして、768人を対象に不眠症うつ病の発症率の関係を調べた観察研究になってます。(p)そんな研究の流れをざっくり見ていきますと、

 

  1. まず参加者に睡眠の質や不眠症のレベルをチェックしてもらう(IRSスケールなど)
  2. 6年間にわたる追跡調査をおこない、睡眠の質や不眠症の重症度とうつ病発症リスクの関係を調べる

 

という感じになってます。ここだけ見ると過去の研究とはあまり変わらない印象ではありますが、この研究が今までの研究と異なるポイントとしては、参加者の全員がうつ病を経験してないことなんですね。

 

ちなみに一回うつ病を経験すると不眠症にもなりやすくなり、その不眠症うつ病の再発率なんかにも影響を与えてしまうので、純粋な不眠の症状がうつ病の発症リスクにどのような影響を与えるのかを見てくれたのが新たな知見ポイントと言えそうな感じです。

 

でもって6年間の追跡調査をしたところ、参加者の768人うち141人(18.4%)がうつ病を発症したわけなんですが、睡眠の質との関連性はどうだったのか見ていくと、

 

  • 不眠症の重症度(IRSスコア)が1ポイント上昇するごとにうつ病発症リスクのオッズが11%上昇した(HR = 1.11、95%CI:1.07-1.15)
  • 不眠症のない参加者と比較して、軽度の不眠症を報告した参加者はうつ病の発症リスクが2.6倍になり、最も重度の不眠症を報告した参加者の場合は8.1倍になった
  • この結果は、年齢、性別、不安障害診断の有無を調節しても特に変化はなかった

 

とのことで、不眠症の重症度が上がるほどうつ病の発症リスクも上がるわけですね。

 

でもって「特に不眠症のどんな症状がうつ病のリスクに関連してるのか?」という細かい部分を見ていきますと、

 

  • 過去1ヵ月間の平均睡眠時間が6時間以下の人たちはうつ病発症リスクの増加に有意な差はなく、不眠症の重症度との相互作用も認められなかった(必ずしも不眠症だから6時間以下になっているわけではない)
  • 特に関連があった不眠症の症状は「入眠に問題があったか」ということだった(HR = 1.33、95%CI:1.12-1.57
  • 夜間や朝早く目が覚めてしまうなどと言った睡眠への不満は、いずれもうつ病のリスクを有意に増加させなかった

 

とのことで、不眠症の症状でうつ病の発症率を比較したところ一番関係があったのが「寝つきが良いと感じるかどうか」だったんだそう。


ちなみに寝付きが悪いといった睡眠導入障害(DIS)が全くない人と比較して、入眠障害を週に3~4回または4回以上経験している人は、それぞれ2.3倍〜3.2倍のうつ病を発症していたんだそう。これは「寝つきが良いか悪いか」うつ病の兆候としても判断できそうな感じかもしれませんね。(*¯ㅿ¯*;)

 

でもって研究者によりますと、

「寝つきが悪いかどうか」がうつ病の発症リスクを上げるというこれらの結果は、夜間や早朝に目が覚めることが問題なのではなく、その後の睡眠への復帰の困難さが問題です。言い方を変えれば、不眠症には睡眠から覚醒への移行が豊富に含まれていることは間違いないが 、経験した問題の核心はむしろ睡眠の開始時、あるいは夜遅くに覚醒から睡眠へと移行することの困難さであるかもしれない。興味深いことに、我々の結果は、特に夜間の発症時にこのような困難が存在することが、うつ病への脆弱性に影響を与えることを示唆している。

とのこと。

 

睡眠時間が短くなったり、眠りが浅いといった不眠症であることあることよりは、「何だか寝つきが悪い、寝付けない」という感覚がうつ病の発症リスクに関連していたみたいなんですね。この辺のメカニズムに関しては良くわかってないものの、まあ夜に寝付けないこと自体がストレスになりますもんね、、、。

 

ただもちろんこの研究だけでは「睡眠時間が少ないや寝起きが悪いことが無関係だ!」と言い切れるわけではないですし、今度の研究で同じ結果が再現されるどうかはわからないところには注意が必要なんですが、とりあえず「寝つきが良いか悪かどうか」を意識してみてその都度対策をすることはうつ病の予防にもつながりそうな感じなので気にしてみるのはありかと思います。

 

この辺は特にうつ病といった精神疾患にかかったことがない人ほど、寝つきが悪いといった感覚はメンタルに負担がかかってる兆候かもしれないので何かしら対策を取ることをオススメします。

 

寝つきの改善としては

 

 

あとは睡眠改善のまとめ記事なんかも参考になるかもしれませんので、よければご自愛くださいませ。(`・ω・´)