Vitality Asset

何かと心配になりやすい元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

「感染者数って宛になる?」、「全国民にPCR検査は意味が無い?」、数字マジックって色々怖いから、性質を理解しておこうぜ!みたいなお話

f:id:nasubi-healthcare:20200427111323j:image

 

こんにちは、なすびです。

 

今回は「数字に強くなろうぜ!」というお勉強の回みたいな感じです。

 

「今10万個売れてる話題の健康食品!!」、「このサプリで体重が3kg痩せたんです」といった感じの広告はよく見かけるかもしれませんが、数字っていうのは信頼度や効果の目安になるという一方で、金融商品や健康商品の数字で騙されるなんてケースもありましょう。いわゆる「数字マジック」ってやつですね。

 

「数字は嘘はつかないが、嘘つきは数字を使う」なんて話は最近ベストセラーになった『ファクトフルネス』という本にもある通り、「数字の背景やその数字がどんな印象を生み出すのか?」なんてことをしっておくと、変な商品にも騙されにくくもなるし、正しい判断をするのに役に立つのかなと思う次第です。

 

意味は同じなのに、数字の見せ方で印象が変わる『フレーミング効果』

個人的に好きなのが、数字の『フレーミング効果』と言われるもの。数字が与える印象がいかに強力かということがわかるのですが、先に例をいくつか見ていきましょう。

 

・商品のマーケティング

10万個売れている、話題の商品です。

 

日本人の0.0001%が持っている、話題の商品です。

※人口を1億とした場合

 

「10万人がその商品を持っている!」という事実は変わらないんですけど、明らかに印象が違うのがわかりますでしょうか。

 

まぁ文字が違うのは置いておきまして、「10万個売れている!」っていうワードはなんか凄そうだと思いますけど、人口の割合に直すと途端にショボい感じになるんですよね。

 

・ダイエット商品の例

脂肪分、90%オフ!!

 

脂肪分、10%残ってます!!

 

これも見せかたが違うだけで「脂肪が10%入っている」という事実はどちらも同じですよ。ただ90%オフは健康的な印象がありますが、一方で10%残ってるとなるとなんだか嫌な感じがするかと。でも意味は同じなんで、お菓子やめたいのにカロリーオフ商品ならついつい買ってしまう!という人はこの考え方をしてみても良いかもですね。

 

・今話題の感染症の例

死亡者数 100人

 

死亡者数人口の0.000001%

※人口を1億人として割った値

 

これもどちら意味は同じなんですけど、下の方が恐怖心が減っている感じがしないでしょうか?

 

いくつか例を上げてきましたが、これが『フレーミング効果』というもので根本的な意味は同じでも数字や表記を変えるだけで印象が変わる現象のことを言います。

 

先の感染症の例でも違う印象を感じたと思うのですが、

 

  • 「100人の人が亡くなっている」というのは「人口の0.000001%が亡くなった」という表記に比べて、イメージがしやすいので恐怖心が生まれやすい。なので人々への注意喚起には役に立つ。
  • 一方で「人口の0.000001%が亡くなった」という表記は、イメージがわかないので事の重大さがわかりにくくなってしまう。なので注意喚起には向いてないが、恐怖心は減らすことが出来る。

 

という感じで、まあ見せ方で印象も変われば、説得力が変わるっていう話なわけですな。

 

ちなみにビジネスでは商品を売る時には大したことない数字を大きく見せるようにしたり、逆に都合の悪い数値はわかにくくしたりと『フレーミング効果』をうまく使って消費を促している側面もあるので、これを知らないと数字に上手いこと騙されるなんてことにもなってしまったりしますね。

 

まぁ当ブログでも数字を疑うみたいなことしょっちゅうやってますけど、「このサプリ1ヶ月飲めば、体重が3キロ落ちます!」って表記を見た時に、その数字の根拠ってなんなんだろう?って考えられることは、情報社会を生き抜くにはかなり役に立つと思います。

 

 

根拠となる数値って、どうやって出してるの問題?

今は感染症が流行ってるのでそれを例に話を進めて行こうかと。

 

「感染者数ってあてになんの?」みたいな議論はメディアで良くされてますけど、みなさんも「やれ東京の感染者が減少してるけど、油断が出来ない!」や「感染者数だけ見ても意味ない!陽性率を見よ!」「無作為に抽出したサンプリングをしないと」、みたいな話は聞くかもしれません。

 

これが何を意味しているのか?と言われれば、この感染者数という数字が目安になる一方で、割り出し方によっては信頼できない指標になってしまうのも確かなんですよ。

 

「じゃあ感染者数どうやって出してるの?」って話なんですけど、これは「PCR検査で陽性と判定される=感染者」ということなので、PCR検査に関わってくる数値を見ていく必要があるんですね。

 

でもって考えられるところを見ていくと、

 

  • 検査の精度:検査精度が低かったら感染者数があてにならないよね、、、
  • 保険所の従業員の数:対応してもらえないとそもそも検査に進めないから、従業員が疲弊してきたり、休みだと感染者の数も減る可能性があるよね、、、
  • 検査機関の物資:検査に必要な物資が足りてないと、そもそも検査ができんよな、、、

 

みたいなところは、感染者数の数値に影響が出てきそうな感じがしますよね。

 

まぁこれらが現実で起こっているかはさておき、感染者100人という数字には検査精度のように色々関連している他の要因があるので、数字を出すまでの背景を想像することも大事なわけっすね。

 

この辺は株式投資とか怪しい金融商品をグラフでプレゼンされた時に、『数字マジック』に引っかからないための考え方でもあるんで、企業の広告とかを意識して見てみるのはありかと思いますね。

 

全国民にPCRでどエライことになるっていう、確率論の話

では最後に「なんて国民全員にPCR検査をさせないんだ!」なんて話は、確率論で考えてみるとすごいわかりやすいので最後に。

 

確率論といっても小学生レベルの計算が出来れば問題なので、あんまりビビらないで大丈夫です。

 

では早速計算を始める前にまずは

 

  • その病気の有病率(病気になっている人の割合)は人口の0.1%
  • 検査の精度が99%

 

という過程をします。

 

そして10万人を対象に検査をおこなうとすると、有病率が0.1%なので

 

感染している人:100人

感染してない人:99900人

 

となります。

 

そして精度99%の検査を感染してるグループとしてないグループに行います。

 

【感染してる100人のうち】

A:正しい結果を出せる(陽性):99人

B:間違った結果を出してしまう(偽陽性):1人

 

【感染してない99900人のうち】

C:正しい結果を出せる(陰性):98901人

D:間違った結果を出してしまう(偽陰性):999人

 

となります。

 

「では正しく陽性を判断できる割合はどのくらいなの?」ということで、割合を計算しますと

 

A/A+D=99/(99+999)=約10%になります。

 

この計算で考えると正しく陽性の患者を発見できる可能性がたったの10%ならば、国民全員にPCR検査をやったところでその情報が役に立つかわからないということですね。

 

ちなみにこの陽性を正しく判断する10%という数値ですが、

 

  • 検査精度が低ければ、さらに低い値になる(CPR検査高くても70%前後と言われている)
  • 有病率が低ければ、さらに低い値になる(4月27日現在の感染者から割り出すと、有病率は0.01%とさらに低い)

 

なので、実際にはかなり低い数値が出ると考えられるわけです。(計算したら精度が0.00002%でした、低すぎる!)

 

ただこれは「あくまでも全国民にCRP検査をやることに意味が無い」という話なので、「CRP検査が使えない!」というわけではありませんのでご注意を。

 

「じゃあPCR検査を意味のあるものにするにはどうすれば?」ということですが、先の計算からも有病率(病気にかかっている確率)を上げれば良い!という話になります

 

その有病率をあげるわかりやすい方法が症状のチェックでなんですけど、新型コロナで言えば、味覚がなくなる、発熱症状、肺が痛いみたいな特徴的な症状ですね。

 

では実際に症状をチェックして有病率が20%まで上がったと仮定して計算をしてみると、

 

感染している人:20000人

感染してない人:80000人

 

※検査精度は99%のまま

 

【感染してる100人のうち】

A:正しい結果を出せる(陽性):19800人

B:間違った結果を出してしまう(偽陽性):200人

 

【感染してない99900人のうち】

C:正しい結果を出せる(陰性):79200人

D:間違った結果を出してしまう(偽陰性):800人

 

そして割合を出しますと、

 

A/A+D=19800/(19800+800)=約97%

 

なんと精度が97%に跳ね上がるわけですね。

 

こんな感じでPCR検査を意味があるものにするためには確率論的には有病率をいかに上げるかが重要なわけです。なので保健所の人は電話対応で、新型コロナ「症状を聞くことで」PCR検査を意味のあるものにしてくれてるわけっすな〜。ありがたいですね。

 

そして仮に全国民にやったとしても得られる情報が大したことないので、医療従事者の労力やそれに使う物資にお金かけてももったいない!というのが、医療系の専門家の意見だったりもするわけですな。単純計算ですけど、ソフトバンクグループの孫さんが叩かれていた理由はこういうことだったんですね〜。

 

まあそれでも検査しようと思ったのは、無症状の陽性患者の特定に使おうとしているんだと思うんですけどね。この辺は難しい問題ですけど、個人的にも全国民PCR作戦には反対ですね。(多分やらないと思うけど)