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不安症セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

ネガティブな考えが止まらない、そんな時はボルダリングがいいぞ!という研究のお話

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こんにちは、オリンピックはどうなっちゃうですかね〜、なすびです。(´・-・` )

 

当ブログでは「手軽にメンタルを改善するなら運動がいいぞ!」という話は何回しておりまして、1人で行う運動やチームスポーツによってもメンタルへのメリットは違ったりするというのは過去に書いた通りです。

 

まあ今までは「具体的にどんなスポーツがいいのか?」というのはあまりまとめたことがなかったんですけど、今回は「ボルダリングが特にメンタルに良さそう!」という話があったので、まとめていこうと思います。

 

 

 

ボルダリングでうつ症状が大幅改善!!

これは2019年に発表された研究になりまして、軽度のうつ症状を99名の男女を対象にしたRCTになっています。(p)

 

ざっくりとした手順は以下のような感じ

 

  • ボルダリングをするグループと特に何もしないグループに分ける
  • ボルダリングの後に、うつ症状をチェックするためのアンケートに答えてもらう(BDI-Ⅱスケール)

 

といった感じで、ボルダリングがうつ症状をどのくらい改善してくれるのかを調べたわけですね。

 

また今回の研究はちょっとデザインが特殊でして、

 

  • ボルダリングをするグループと何もしないグループを比較したのは最初の8週間だけ
  • その後は改善したうつ症状がすぐ戻らないかをチェックし続ける(10ヶ月〜12ヶ月)

 

といった感じ。

 

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写真:同論文より引用したもの

 

対照試験なっている期間は実質最初の8週間とボチボチな長さですが、ボルダリングに関する質の高いでここまで長い期間の追跡調査をしているケースはかなりレアなので参考になる次第です。

 

でもって早速結果はと言いますと、

 

  • ボルダリングをするグループは何もしないグループと比べて、うつ症状が約3.5倍と大幅に改善!!(効果量:d = 0.59)(7.21 vs 2.14)
  • そしてこの効果は12ヶ月後も継続した!(効果量:d = 0.37)

 

とのこと。

 

ちなみこの効果量というのは統計学で効果の大きさを表す指標になりまして、科学的には0.5~0.8で効果ありすることが多いのです。

 

例えば、

 

 

といた感じで、科学的にも効果があるものと近い数値を叩き出しているのがナイスなところです。個人的にボルダリングポジティブ心理学より効果が期待できるんじゃないかなと思いますね。

 

ただこの研究はボルダリングをやるまでに心理教育(不安は悪い感情ではないんですよ〜)みたいなことやマインドフルネスもやっているので、純粋にボルダリングだけの効果とは言えないところがネックですが、2015年の似たような研究でも似たような効果を叩き出してるので(Cohenのd = 0.77)やってみる価値はあると思いますね。(p)

 

 

 

ボルダリングの特に良いところってなんなの?

中には「シンプルに運動がメンタル良いだけなのでは?」と感じる人がいらっしゃるかもしれませんが、ボルダリングがメンタルに良いと考えられる理由が主に3つあります。

 

・達成感が目に見える

目標を達成している感覚というのは自己肯定感にとって大事な要素なんですけど、ボルダリングはそれを感じやすいんだとか。やってみるとわかるんですけど、簡単なコースから難しいコースまで少しずつ難易度を上げてやっていけるので、『前進している感』がモチベーションを高めてくれるんだとか。

 

・反すう思考を減らしてくれる(考え事が出来ない)

メンタルが落ち込む理由としてあげられる反すう思考を減らしてくれるのもいいところ。反すう思考というのはネガティブなことを何度も考えてしまうことを言うんですけど、ボルダリングをしていると「次は右足を赤い石に引っ掛けて」「右手で黄色い石を掴んで」といった感じで、ネガティブな考え事している余裕がなく、結果的に反すう思考減らしてくれるとのこと。

 

また過去や未来の考え事は脳の負担になるということは過去に書きましたが、ボルダリングは今に集中しないと落ちてしまうので、そんな考え事に意識が向きにくかったりします。この辺は「今この瞬間に集中する」マインドフルネスの要素が良い影響を与えてくれいるかもしれません。

 

・ワーキングメモリーが鍛えられる

ワーキングメモリーというのは暗算みたいに一時的に記憶を保持するような能力のことを言いまして、ネガティブな思考にとらわれないためにも重要な能力になってます。「そんなワーキングメモリーボルダリングでも鍛えられるのではないか?」と考えられておりまして、ノースカロライナ大学が行った研究では木登りでワーキングメモリが向上したなんて研究もあったり。(p)

 

研究者によれば、木を登るときは「どのルートで登るか?」はたまた「次はどこに足をかけようか」といった感じで、今の自分が客観的にどうなっているのかというのを把握しなければいけないボルダリングをやるときも「右足が赤いブロックの上にあって、左足は黄色いブロックの上にあるな」という客観的な視点が鍛えられて、ワーキングメモリーに良い影響を与えてくれる、ということなんだそう。

 

これら3つの理由からボルダリングが単に運動というだけでなく、頭も使うという要素が多いという所がなかなか良さげなわけですな。

 

僕自身も実際にボルダリングやったことがあるんですけど、本当に考え事してる余裕がないんですよ。何せ気を抜いたら落ちちゃいますからね〜。

 

まあ次の日全身筋肉痛になっちゃいましたけど、もし気分が落ち込んで考え事ばかりしてしまっているのであれば、息抜きにボルダリングはいいかもですな〜(  ˙꒳˙ )