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そもそも『科学根拠』ってどこまで正しいの?というお話

そもそも科学が正しいのか?

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こんにちは、なすびです。

 

ここ最近は『科学的な根拠』や『エビデンス』のような、ワードが大分広まってきているような感じがしております。ビジネスでもデータ主義が定着し、「ビックデータの時代だ!」なんて言われてますし、メンタリストDaiGoさんなどの影響なのか本屋でも「科学的根拠あり!」なんて言葉が書かれた本を見かけることが増えたなぁ〜としぶしぶ。( ..˘ᵕ˘ .. )

 

ちなみに当ブログでも『科学的な根拠』を推奨しておりまして、記事のなかでは「やれ科学が、、、」「エビデンスの質が、、、」なんてことはしょっちゅう言ってますが、読者様の中には「そもそも科学が正しいの?」と疑問に思うことがあるかもしれません。

 

これがまた判断がすごく難しいところではあるものの、今回は「結局科学って正しいのか?科学とはどう付き合えばいいのか?」みたいなところを、僕なりの考えでまとめていこうと思います。‪

 

 

 

科学は必ずしも正しいわけではない!

 

ではまず結論から言ってしまうと、

 

  • 科学が必ずしも正しいのわけではなく、間違えることもある
  • しかしながら概ね間違える確率の低い情報を提供してくれるので、参考になる
  • 今まで思いもつかなかった知見が分かったりするので、勉強になる
  • が、メタ分析のようにエビデンスレベルが高くても、正しいというわけではないので判断が難しい
  • 読み手によって情報の捉え方が変わるので、判断が難しい

 

みたいな感じです。

 

正直話がややこしすぎるので、「科学は絶対ではなく、参考にはくらいでいいのか!」くらいに捉えてもらって、ここから先は読まなくてもいいかもしれません(笑)

 

僕個人としても「間に受けすぎなくてもいいが、客観的な考え方が非常に参考なる」くらいの感覚でいますし、自分自信はリスクに敏感で損したくないタイプなので、科学は自分の価値観に合っている気がする!という理由で好んでるというスタンスかね〜。

 

 

科学が間違えるケース

研究の質によって、情報の信頼度が変わってくる!」という話は過去に書かせていただきました。概ねはそちらを参考にして頂きまして、ここでは科学が間違えるパータンについて2つ見ていきたいと思います。

 

  • 効果ないのに効果ありと判定してしまうパターン
  • 本当は効果があるのに、効果がないと判定してしまうパターン(p)

 

 

効果ないのに効果ありと判定してしまうパターン

「効果があった!」ものが、いつの間に「効果ありませんでした!」なんてケースは科学の世界では頻繁にありまして、実際2015年の論文では、過去の心理学研究の再現率が50%以下だったなんて結果が出ていて驚きでした。(p)

 

これは「昔の研究と同じことやったら、効果が半分しか確認出来なかった!」なんてことになりまして、ダイエットで言えば「前の研究ではナッツで6キロ痩せてたのに、今回は3キロしか痩せなかったぞ」みたいな感じです。効果のあるのかないのか伺わしくなるみたいな事が頻繁に起こると。

 

こんな感じで効果が半分になるならまだしも、「実は体に悪かったです!」なんてなるとシャレにならないので、ちょっと怖いですね。

 

本当は効果があるのに、効果がないと判定してしまうパターン

科学の世界では、効果があるものを効果なしと見なしてしまうことも、しばしば。

 

具体的には、P値ハッキングの問題や効果量を計算してしてなかったり、サンプル数の増やしすぎといった『統計処理の問題』や研究過程で発生する『バイアス』、『事前登録の問題』などが原因で、「新たな発見や可能性を潰してしまうあるのでは?」と議論されています。(p)これは先の「効果がないのに、効果あり」と見なしてしてしまう場合でも同じです。

 

また観察研究だとエビデンスの質が低さから論文の内容を軽視しやすかったりするのですが、「それはそれで1つの可能性を潰してないか?」みたいなことにもなってしまうわけです。まあこんな感じで議論に議論を重ねて、殴り合いを続けた結果発展して行くのが科学の世界だっだりするそうで、色々難しい世界みたいですね、、、。(´・ω・)

 

まあ何にせよ「効果有るのか無いのか」をしっかりと見定めるにはRCTやメタ分析のような、信頼度の高い研究結果が溜まるのを待たないといけなかったりするわけです。「ナッツで痩せるかどうか」については統計学の性質上、質の高いデータを取っていけば「痩せる」か「痩せない」のどちらかに結果が寄っていくはずなので。

 

 

 

メタ分析だからといって、正しいの訳でもない

が、さらに混乱させてしまうかもですが、基本的に情報としてはRCTメタ分析の信頼度が高いという話ではあるものの、じゃあその2つが100%正しいのかと言われるとそういうわけでもなく、結局中身を見てみないとなんとも言えなかったり。

 

なので「メタ分析だから正しいのです!」というわけではなく、「今のところ世に出ている情報の中では、このメタ分析が一番信頼に置けそうだよね」くらいの感覚の方がちょうどいいかと思いますね。

 

科学が出来るだけ間違えない情報を提供してくれるのは確か!

なんとなく「科学も間違えるのね」ということは伝わったのかなと思いますが、一方で「科学って信用ならないのね」みたいな印象を持つ方もいらっしゃるのかなと。たしかにそんな側面もありますが、僕としてはそれでも科学を参考にしていきたいと思っています。

 

なぜなら科学が参考になるのは、個人の経験より客観性があるからという話がありまして、例えば「りんご食べて痩せた!」と主張している人がいたとしても、

 

  • いつも食べてたケーキがりんごに置き換わったことで痩せたんじゃないか?
  • 健康意識が高まって、他にも痩せるような行動をしてるのでは?(歩いて帰宅する距離を増やしたとか)
  • りんごダイエットを始めたタイミングで、日常のストレスが減ったことが原因なのでは?(ストレスは過食につながりやすい)

 

と言った感じで、その人にとって思いもよらないような切り口でりんごの効果を検討してくれるので、客観性がすごく高いんですよ。

 

カロリーの置き換わりや睡眠の質がアップなど、りんご以外で痩せる要因を調整した上でりんごの効果を調べてくれるので、りんごの真の効果を弾き出してくれるわけですね。まあこれもエビデンスの質依存なので、ややこしい話ではあるのですが、非常に参考になるといった見解です。

 

※ここからは飛ばしてOKです

他にもこのような真の効果を弾き出すために、色々と調整しないといけない所がたくさんあるので、紹介して行こうかと。

 

  • 平均への回帰:どんな人でも実力や調子にはムラがあるけど、平均的にみたら一定のラインに落ち着くという現象。極端な例で言えば、ミスを連発するテニスプレイヤーに説教したら、次の日からミスをすることが減ったとします。「あ、説教が効いたのか」と思うかもしれないが、昨日はたまたま調子が悪かった日なだけであって、「説教をしなくてもミスが減ったであろう」なんてことは考えません。この現象を調整しないで、サプリメントに効果ありましたと言われても、サプリメントが効いたのか、それともサプリメントを飲まなくても症状が改善したのか、といったサプリメントの真の効果が分かりにくくなってしまう。
  • 時間経過:時間の経過が症状を回復してくれるなんてこともよくある話でして、一例で言えば「嫌なことがあっても数週間後には気持ちが楽になったりする」みたいなことです。薬を飲み始めて症状が楽になったと思いきや、時間が立ってストレスが減ったことで症状が改善していた、なんてことになると「薬の効果は果たしてあったのだろうか?」ということになっちゃうわけです。
  • プラシーボ効果これは以前細かく書きましたが、ニセの薬を飲んだとしても薬を飲んだ安心感で症状が回復するみたいな心理的な効果のことです。これも考慮しないと「薬の効果で治ったのか、それとも薬への期待感が不安を減らしてくれたのから症状が改善したのか?」分からなくなってしまうわけです。僕自信もメラトニンサプリを使ってみた感想を上げてますけど、正直効果あったのか、プラシーボなのかはよく分からないです(笑)
  • ホーソン効果病院にいるという、環境の変化が体調に影響を及ぼすみたいな感じです。これは環境版のプラシーボ効果みたいな感じですね。

 

科学はこのように本当の効果を濁らせるような要因(バイアスなんて呼ばれてます)をRCTのような研究のデザインを使って排除した情報を取れるので、シンプルに参考になるんですよ。まあコーヒーで言えば、雑味のない極上の一滴絞り出すのに、いろんなフィルターや機械、ドリップテクニックを使って試行錯誤するみたいな感じですかね。まあそれでも間違えちゃうことはあるのですが、、、。

 

 

 

まとめ

色々とごちゃごちゃ書いてきましたが、僕個人の科学に対する考え方をまとめますと、

 

  • 科学が必ずしも正しいわけではないし、何なら間違えることもある
  • しかし客観性の高い情報が取れるので、参考になる情報が多い
  • が、参考になるかどうかはRCTメタ分析といった研究のデザインによる
  • RCTメタ分析といったところで大まかな信頼度わけはできるが、それだけで信頼度が高いと判断できるわけではない
  • 読み手次第で結果も変わっちゃうので、判断がむずい

 

といった感じです。結局『論文を正しく判断が難しすぎて、よくわからん!』なんて話になってしまいますが、うまく使えば非常に参考になる情報が沢山ありますし、自分では思いつかないような視点がたくさん詰まっているので、やっぱり科学は勉強になっていいなと思ってます。

 

また研究自体は上記のような心理的バイアスを取り除くように設計されてはいるものの、結局論文の読み手は人間なので人によって捉え方は様々。糖尿病の系の先生であれば糖質が太る原因と主張しやすいですし、物理やスポーツ系の専門家であればカロリーが太る原因と主張しやすいといった感じですね。

 

また自分にとって都合のいい情報を持ち上げて、自分にとって都合が悪い情報は切り捨てるという確証バイアスの問題もあるので、最終的には自分の頭で考えて判断するしかないという、他力本願なところがありますご容赦ください、、、。

 

自分はこういういろんな要因が複雑に絡み合った学問を考えるのが好きなタイプなのでいいんですけど、それが面倒だなと感じる人はエビデンスの質だけで見るのも十分かと。「メタ分析だから信頼してみようかな」みたいなざっくりな判断でも、間違えにくい選択は取れると思いますので。

 

また過去にいくつか記事を書いているので、もうちょっと細かく判断したいという方は専門書を買ってみたり、過去に記事も書いてるのでもしかしたら参考になるかも知れません。

 

 

研究は日々行われているので、情報更新が日々必要というところもあるんでしょうね〜。うーん、色々と考えることが多すぎますが、とりあえず頑張るか( ˙-˙ )

 

 

 

参考文献

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

  • 作者:伊藤 公一朗
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/04/18
  • メディア: 新書
 
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

 
心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門―エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」

心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門―エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」

  • 作者:原田 隆之
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2015/12/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)